何らかの要因で職を失う人、何らかの事情で新卒で就職しなかった人など、現在職に就いていない(企業などに雇用されていない)場合、どうやってキャリアを作り直せばいいのでしょうか。
日本はいまだに新卒至上主義なので、一度レールから外れてしまうと元に戻すのが難しくなってしまいます。いくら素養や実力があったとしても、新卒でない時点で色眼鏡で見られてしまいます。
就職しないで起業するという手段もありますが、それに向いている人ばかりではありません。
今回は、30代で無職になってしまっている人に向けて書きます。いわゆる既卒で、かつ5年程度ブランク(空白期間)のある人向けです。第二新卒、既卒間もない場合はそれ専用やり方(新卒に近い活動)で応募すべきかと思います。
なお、僕は30代無職から上場企業の正社員になっております。その経験も織り交ぜてお伝えしたいと思います。
キャリアを修復する方法
- 目指す方向を決める
- そのための経験を得る(目安1年以上)
- 経験を得てから応募する
結論としては以上です。一つずつ解説していきます。
1.目指す方向を決める
まず、どんな正社員になりたいか具体的にイメージします。夢を追うのではなく、現実的に考えるのがポイントです。
上場企業の営業職、有名企業の経理職、成長企業の研究職など「会社規模」と「職種」で考えればよいと思います。会社規模は収入に、職種はキャリアに繋がります。
特に「職種」が重要です。就職や転職にあたっては、何をするか・できるかが重要だからです。また、職種に一貫性があるとその後の転職にも有効なので、一つ自分の職種(分野)を定めておくのがお勧めです。
なぜなら、ブランクや年齢のハンデがあるので、動き始める前の段階で、職種を絞るという、ハンデを払拭するための戦略が必要だからです。
なお、「職種」とは
- 法務、財務、IT、人事(管理系)
- 営業、販売、企画、マーケティング(営業・企画系)
- 研究、エンジニア(研究・開発系)
といった分類のことであり、この中から一つを定めます。過去の就業経験、その分野の勉強経験があるなら、それと同じ道が良いかと思いますが、新しいものにチャレンジしてもよいと思います。大事なのは今後の一貫性です。
2.経験を得る
目指す方向、職種に狙いを定めたら、バイトや派遣で構わないので「その職種の」経験を得るために働きます。
職歴を作るということです。
逆に言うと、職歴は作ることが可能ということです。空白期間に恐れをなす必要はありません。職種に狙いが定まっていれば、バイトや派遣、無給でもよいからその経験を得るのがよいと思います。
正社員の職歴がないといけないと思いがちですが、雇用が流動化しているため、昨今では実務経験があることの方が重要視されます。
いうなれば就職活動のネタ作りです。転職活動に直結する経験を得る、ということです。
期間としては、最低でも半年から1年程度は必要です。良質な経験が得られるなら3年程度続けてもよいと思います。
長くて面倒と感じるかもしれませんが、正社員に就職するためのステップと割り切りましょう。
また、単に続けさえすれば経歴を作る目的は達成できますので気楽にやりましょう。そのためにも、修正が効きやすいバイトや派遣の方が良いと思います。難しいと思ったら辞めて方向転換を検討すればよいと思います。
派遣の場合、派遣会社に職種を指定して紹介してもらうのが定番の方法です。
また、実績作りのためなので、目的に合致する求人に直接応募するのも有効です。興味のある会社のウェブサイトを検索して人員を募集しているなら、形式は気にせず履歴書を送付してみましょう。
なお、仕事を開始した後の話ですが、実績作りのためと割り切る場合は、辞めないことが最重要なので、迷惑かけない程度で省エネ(頑張り過ぎない)でよいかと思います。もちろん、上司や同僚には実績作りという目的は言わないでおくべきでしょう。
経験を得る期間としては、前述のとおり半年から1年程度ですが、やはり1年は欲しいところです。長いと感じる人もいると思いますが、実績作りと割り切って無心でやれば大丈夫です。
また、転職活動の期間を計算に入れ、3ヶ月くらい前から辞めるモードになればよいので実質9ヶ月です。そう考えれば割り切れると思います。
3.経験を得てから本命に応募する
ブランクや年齢のハンデを埋めるための経験を得たら、いよいよ正社員の求人に応募します。
これを通過すればキャリア修復が見えてきます。
転職活動は、転職エージェントを利用します。サイトに登録し、送られてくる情報をもとに、よい求人があれば応募します。ハローワークは当てになりません。情報収集や勉強の場としては有益ですが、職業紹介機能は、民間の人材会社の方が圧倒的に上です。
転職エージェントは大手を使いましょう。求人数が違うからです。リクルートエージェント、doda転職エージェント、マイナビエージェント、パソナキャリアといった人材会社です。
転職エージェントは一つの会社だけでなく、複数の会社を利用すべきです。上記の大手エージェントには全て登録しておくべきでしょう。
空白期間があると登録までにも至らない可能が正直あります。ここでも精神的に負担を感じる可能性がありますが、ここは割り切って複数の会社に登録要請をかけましょう。
まずは、大手サービスであるマイナビのリンクを掲載しておきます。
転職エージェントと相談しながら、マッチしそうな求人を提示してくれますので、どれに応募するか決めていきます。
面接では、現在の職場で「目指す方向の経験を得ていること」を面接や職務経歴書でアピールします。さらに、それが転職先に生かされることをアピールします。
まとめ
日本の場合、いくら実力があっても経歴が重視されてしまいます。しかし、空白期間は埋め合わせが可能です。多少の期間は必要ですが、実績と経験を作ってキャリア修復すればよいだけです。
能力があっても、何らかの事情でキャリアにブランクがうまれてしまったり職を失ってしまうことがありますが、たいていの場合は本人の責任ではありません。
労働者は社会情勢に左右されます。終身雇用も崩壊しつつあります。あまり深く考えずに行動するべきです。
最後までお読み頂きありがとうござます。
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